どうやらもうマテュラが近いようであった。
とは言え、
毎度の迂闊夫婦は、地図やガイドブックの類いはもちろん、
携帯も電源が切れていたり、インターネットも不通な上に、
事前にドコに行きたいか?すらも持ち合わせてはいなかった。
かろうじて持っていたもの。
それは、
前回三年前に来たコトのあるハズのオボロゲな記憶だけである。
それでもどうやら、
土地勘があるらしいドライバーの御陰さまで、
色々な寺院を回ることができた。
まず通されたのが、
どでかいドゥルガー神がお出迎えしてくれる寺院であった。
なかなかリアルに作り込まれたその足下に辿り着くには、
まず財布も含む全ての荷物と靴をクロークに預け、
無料の受付で名前と出身国を登録しなければならない。
とはいえ、ココはインド。なんも厳密なことは無い。
「おまえジャパニか?トーキョーか?」
「イエス(ホントは違う)」
で終了である。
そんな勿体ぶった上で入場した先にあったのは、
毎度お馴染みシバ神とインドの神々の生い立ち壁画と、
チープな神々紹介アトラクション洞窟で過ごす数十分の滞在であった。
その後も同様のアトラクション寺院をハシゴしたり、
かつて訪ねた猿だらけ寺院再訪や外国人僧侶だらけのインターナショナル寺院やら、
マテュラならではの寺院探訪三昧を過ごしたんだ。
それにしても、
流石宗教国家の宗教都市なマテュラでは、
豪華絢爛な新築寺院が建設ラッシュだし、
寺ガールやら御朱印ガールどころでない、
寺サドゥなハードコアじいさんたちが闊歩するスピリチュアル満載の風景を楽しめた。
とはいえキットうちの妻は、
どうやら道中出会ったトイレの衝撃が忘れられないらしく、
帰りの道すがら、ズーっとその光景の壮絶さをトウトウと克明に語ってくれた。
前に来た時に立ち寄った、
美味しいアルーティッカ屋さんに立ち寄れなかったコトもあるだろう。
恐らく彼女の記憶には、
「マテュラ=地獄のトイレ」
として他の記憶が割り込めない悪夢が刻み込まれたようである。
多分ソレ以外の思い出は、
トイレ事件に吹き飛ばされて覚えていないんじゃなかろうか?な勢いだ。
そんなワケで、
彼女は数年前に初めて訪れた時の初心(衝撃)を再び思い出し、
初心に立ち返って日本に帰る段取りと相成ったのであるようであるよ。
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