暗がりのマナリへ到着し、
わが目に最初に飛び込んできたのは酒屋だった。
「おいおい、ココはドライデーとか関係ないんかよ!?」
なんだか得したような気分でバスを飛び降りると、
飛び降りた先は溶けかけの雪でユルユルの滑りやすい危険な状態だった。
雪が降っているのは想定内ではあったが、
溶けかけのビシャビシャはやや想定外だけど、
とりあえず営業している酒屋はもっと想定外だったので、
ついつい真っ先にビールとラムを買い求めたんだよ。
それにしてももっともっと想定外なのは、
現在地からマナリの中心地まで5キロほど離れているってコトだった。
「おいおい、バスターミナルが終着じゃないのかよ!?」
さらにはこの雪の影響なのか?
周囲にはオートの気配もないし、
もちろんウーバーだってオーラだって反応しない。
多分他の人たちも同じ状況なはずなんだけど、
一番のんびりバスを出て酒を買ってる呑気なコチトラは、
すっかり置いてけぼりの途方にくれるスタイルであった。
気を取り直してビールをあおりながら、
とりあえず歩いて様子を伺ってみたんだけど、
雪解け水が道路の三分の一を占める真っ暗闇の山道は、
どう考えても危険極まりないってコトにすぐ気がついた。
そんなわけでヒッチハイクを試みてみるものの、
暗がりの夜道で止まってくれる車はなかなか見つからない。
しばらく歩きながら親指を立てていると、
ようやく一台の車が止まり100ルピーで乗せてもらうコトになった。
どうやらホテルの送迎車らしいこの車の運転手は、
予想通りホテルの確保をしきりに勧めてくれるんだけど、
なにせ昨晩から断食中の身の上である。
「まずは、レストラン行ってから考えますわー」
「いやいや、大雪でマーケットもやってないし、まずは宿決めなよ、OK?」
てな問答をしているうちに市街地についた。
予想通りマーケットは閉まってないし、
約束通り100ルピーを手渡して
ようやく街に繰り出すことになったんだけど、
のちのちその時宿を取らなかったコトを後悔する羽目になるのである。
つづく、。
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