「旅なんて何処どこへ行って見ても、
同じような人間が同じような村や町で、
同じような単調な生活を繰り返しているだけで、
どんな旅にも興味とロマンスをなくしてしまった。」
【猫
町より適当に抜粋】
と云った萩原朔太郎のお話を最近よく思い出す。
ソレは、インドだから?
なおさら感じる気がしなくも無い気もしている。
ソレは要するに、
正直どこへ行っても格別な特徴も、
穴場で素敵な街並みやお店があるワケでも無いからだろう。
そんな物思いに耽りながら、
とある休日の昼下がりメトロの駅を指折り数え、
車内と車窓を眺めながら未だ見ぬ終点を目指してみたのである。
インド生活もハヤ二年目に差し掛かり、
その割になかなか遠出もままならず、
せめてデリー界隈をくまなく見知っておきたいと、
暇に任せたタダのふらり途中下車の旅である。
在住の方はご存知だろうが、
デリー界隈はどこもかしこも開発中で、
メトロや高層マンション建設ラッシュの真っ只中である。
今回の終点•デュワルカに差し掛かる辺りからは雑多な街並みを抜け、
だだっ広い一面に整然と団地が建ち並ぶ殺風景な景色になった。
一通り終点までを垣間見て、
何だかさっきまでの雑多な喧騒が恋しくなった気がした。
そのまま終点から新設のエアポートラインに乗り換えも考えたものの、
折角なのでこのブルーラインの何処かで途中下車すべく、
再び同じ電車に揺られて戻るコトにしたのである。
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